この公園は、昌林寺、津門神社という寺社の門前にあり、面積は99平米という狭小公園です。明星池のまわりにベンチが置かれているだけで、この明星池を守るために公園にされたことが明らかです。
フェンスと壁に囲まれた部分ですべて |
この昌林寺・明星池に伝わる伝説は、浄瑠璃の題材などにもなっているもので、
「多田源氏の源満仲が、中山寺に預けた子の美丈丸が修行に励まないことに激怒して、家臣の藤原仲光にその首を取るように命じたところ、仲光の子の幸寿丸が『自分を身代わりに』と申し出たため、仲光は我が子の首をはねて満仲に差し出した(その時に幸寿丸の首を洗ったのが明星池)。それを知った美丈丸は、心を改めて修行に励み、やがて比叡山に入って高僧となり幸寿丸の菩提を弔うために昌林寺を建立した」というものです。
もっとも、「源頼光が酒呑童子を退治して都に帰る途中に、ここで休息をして酒呑童子の首を洗った」という伝説もあるようです(昌林寺には頼光四天王の墓もあります)。
さて、そんな伝説に彩られた明星池ですが、現在は柵に囲まれ、コンクリートで固められた枯れ池になっています。水が湧くでもなし、川が流れてくるでもなし、どうも雨水もしくは水道水頼みのようです。
明星池 |
それどころか、池の底には風呂の栓のようなものがあり、溜まった水を抜けるようになっています。
伝説の池も形無しですね。
この公園、1962年の設置ということなので、今年で50年。
50年前の池の姿、公園の姿はどんなものだったのでしょうか。
池の「栓」 |
●現地にあった明星池の解説板
「史蹟公園 明星池(伝説、首洗い池)」 伝説 首洗い池(血ゝんと)
この池は、美丈丸の身代わりとなり首を斬られた幸寿丸の哀史と、昔旱魃(ひでり)のとき、村人この池に弁財天を祀り雨乞をしたところ、満願の日に一天俄にかき曇り喜雨となる。その奇蹟は古老の語りぐさになっている。
(2012年5月訪問)
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