日本の都市公園は約10万ヵ所。その1/100なら行けるだろうと思って始めた覚え書きですが、1000ヵ所を超えても続いています。揺れる動物も集めています。

2014年4月3日

634/1000 会下山公園(神戸市兵庫区)

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神戸市兵庫区と長田区との境目あたりに、会下山(えげやま)という低山があります。標高は60mほどなのですが、六甲の連山から離れて市街地側に飛び出たような場所にあるため、山と海とに挟まれた神戸市街地でもよく目立つ山の一つです。
周囲は市街化されてNo.622 松本うめ公園などがあるわけですが、頂上から標高40mあたりの範囲までが会下山公園となっています。

神戸でも古い公園のひとつで、1978年(昭和53年)発行の『日本公園百年史』の附表によれば、1903年(明治36年)に開園し、戦前は地元の財産区が管理していたが、戦後になって神戸市に寄贈されたということです。
古い資料では会下山「遊園」と書かれているものも多く、また地元でもそう呼ぶ人がいるので、神戸市に寄贈されて都市公園の制度に乗る前は、おそらく会下山遊園が正式名称だったのでしょう。

さて現在の会下山公園ですが、開園面積が6.6haということで市街地の公園としては広めです。
小山の頂部周りを残して公園にしていると述べましたが、もともとが保全緑地ではなく遊園として整備されたものですので、単なる山ではなく造成された平場(広場)があちこちにあって、それを繋ぐように何本もの遊歩道が通る構造になっています。
そして遊歩道は四方八方に伸びており、周辺市街地の色々なところから公園に入ってこられるようになっています。

山頂部の広場からは、三宮の市街地、神戸港などを綺麗に見渡せます。
手前に写っている石碑は「大楠公湊川陣之遺蹟」碑。揮毫は東郷平八郎です。1336年(建武3年)、後醍醐天皇方と足利尊氏方が争った湊川の戦いの折、楠木正成はこの山に陣を敷いたということで、昭和の初めに建立されました。
ちなみに湊川の戦いで多勢に無勢、無理を承知で数百名を率いて戦って死んだ楠木正成ですが、実際のところ天皇方の本隊は新田義貞の軍勢でした。でもまぁ後の世は悲劇のヒーローを欲するというか何というか、この合戦で敗退後も各地を転戦した新田義貞関連の史跡を神戸で目にすることはあまりありません。

また港を見渡せることで知られた公園ですので、もう一つ海事協議会という組織が1930年(昭和5年)に建てた「海員萬霊塔」という慰霊塔もあります。こちらも揮毫は東郷平八郎。
「殉難および物故船員諸氏の功績を永遠に記念し、且つその英霊を安せんがため」「わが国海員の父 濱田國太郎」が音頭を取って寄付・協力を集めた旨が記されています。
ちなみにNo.103 下山手公園では戦前の海員協会(現在の全日本海員組合の前身)が出てきましたが、それと海事協議会とは別の組織で、また現存する日本海事協会とも直接の関連はないようです。

山頂広場には、駅のホームのような屋根を持つ休憩所があり、その横には輪投げ場があります。
いつ頃始まった風習なのかは知りませんが、毎日山に登って、そこで出会った仲間と一緒に輪投げをするのは、神戸ではよく見られる光景です。

輪投げ、ペタンク、シャッフルボードなど船の甲板上で楽しめるスポーツは、外国航路のあった神戸や横浜で親しまれていると聞きます。が、それをわざわざ山の上で楽しむというのは神戸ならではのように思います。
場所は会下山ではありませんが、同じ神戸の鷹取山でこんな動画もありました。

また山頂広場の一角は遊具広場になっており、隣にはテニスコートもあります。
「山の上」ばかりを強調してしまいましたが、実際は住宅街から徒歩10分の場所です。

さて、山頂広場から少しずつ下りていきましょう。

坂の途中にも所々に小広場があり、ベンチとちょっとした遊具などが置かれています。
遊具で少し面白かったのは、神戸らしい?イノシシ型のコンクリート製動物。
もう一つはイタチ型?

公園としての中腹にあるのが、ピラミッド型の巨大な休憩所のある広場に出ます。屋根の下には大きなテーブルとイスもあって、休憩するだけではなく、ちょっとした公園イベントの時に建物代わりにも使えそうです。
この広場のあたりは森も少し鬱蒼としており、ドングリやキノコなどが採れるので、プレーパークの活動拠点にもなっているようです。

さらに下がって、住宅の近くまで来ると、また遊具広場があります。
こちらの方が遊具が新しいので、最近にリニューアルされたのだろうと思います。

ところで、ここのように市街地に隣接する、古い、大きな公園は、施設老朽化や常緑広葉樹の繁茂、ゴミ捨てや施設破壊、夜間の安全管理など色々な問題を抱えている一方で、周囲に住む人や少し遠方でもこの場所が好きな人など色々な人が公園に関心を持っていることが多いものです。
そうした関心から上手に意見を集めて、それを行動へと結びつけていけば、公園の抱える問題の解決につながるので、ここでも「会下山公園を考える会」が活動を続けています。

その方々が建てた注意看板の一つがこちら。
内容はわかるのですが、公園にネコを捨てに来るのは婆さんで、見張っているのは子供という限定イメージが少々怖いようにも思いました。

神戸市公園緑化協会による公園紹介のページ
●2回も出てきた東郷平八郎の自宅跡はこちら

(2014年1月訪問)

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