1375/1000 五条公園と牛若ひろば(京都市下京区)

2017/01/15

京都市下京区 京都府 身近な公園 川辺の公園

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義経・弁慶の伝説で知られる五条大橋の西詰に五条公園があります。
下の写真は五条大橋の上から公園を見たところ。橋のたもとの大きな樹の下が小さな五条公園です。
ここは、1905年(明治38年)に京都市初の児童公園として開設された公園です。

橋の方から公園に入ったところで目立っているのは謎の石造品。入口の両側に3本組ずつ、一対の石柱があります。
一方ではお社の台座として活用され、また一方ではただ突っ立ったまま放置されています。

判るところだけですが、「摂津国ナントカ」や「天正17年」と刻まれているものがあります。立地と見た感じから、天正17年(1589)に架橋された五条大橋の遺物だと思うのですが、本当のところ何で、どこから来たのか、どうして公園内に集められているのかは、現地ではよく分かりません。

ほかの都市なら解説板の一つでも建てそうなものですが、400年前くらいではなんの説明もなく放っておかれるのが京都です。

石造物を通り過ぎて園内を見渡すと、園内は川に沿った細長い敷地に、滑り台、ブランコ、シーソーなどの遊具が点在します。

逆に敷地の北側から全体を見たところ。パーゴラとベンチは公園の内外から使いやすい場所に設置されています。

滑り台は軽くウェーブのかかったカラフルなもの。
鴨川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらずといった風情をあらわしています。

そしてブランコの後ろ側には、またベンチ代わりの石造物。
川沿いで古い時代の工事の遺物などがありそうな立地であることに加えて、園内には普通のベンチは別に設置されていますので、こちらの石造物は、公園をつくる際に現場に転がっていたものを再利用しているのではないかと想像します。

公園の北隣は、夏の川床でも有名な料理旅館の鶴清(つるせい)。対岸から見える三階建ての楼閣が有名ですが、すぐ隣で見てもかなりの迫力です。

その豪壮な建物のすぐ横にブランコがあるというあたりが、また京都らしいというべきか。

そして、公園を出たところの細道を挟んで、別の2ヵ所の緑地があります。
一つ目は「牛若ひろば」で、3本の道路に囲まれた三角地が小さな緑地になっています。

制度的にどういう位置づけの公有地なのかがはっきりわからないのですが、この場所は南北に通る木屋町通と高瀬川、東西の五条通(国道1号)が交わる交差点なので、道路の付替えなどで生じた空地を活用しているのではないかと考えます。

そしてもう一つが扇塚の碑。ササに囲まれた遥か彼方に扇の形をした碑がありますが、手前に碑文を写した解説板があるので安心です。
「塚」と言うほども地面は盛り上がっていませんが、その分をこんもりしたササで補っているようです。

●扇塚の記
扇は平安時代の初期この地に初めて作られたものである。ここ五條大橋の畔は時宗御影堂の遺跡であり、平敦盛没後その室 本寺祐寛上人によって得度し、蓮華院尼と称し、寺僧と共に扇を作ったと言い伝えられている。
この由緒により扇工この地に集り永く扇の名産地として広く海外にまでも喧傳されるに至った。
いまこの由来を記して、これを顕彰する

昭和35年3月15日  京都市長 高山義三

おまけ.
牛若ひろばの横にあるお地蔵様。

畳半畳ほどの倉庫と一体化している祠の内側が気になります。

(2016年9月訪問)

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